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円高株安

昨日の東京市場は、円高・株安が大幅に進む展開となりました。円相場は、一時約3年ぶりに1ドル=102円台に突入し、株式市場でも日経平均株価が再び13,000円を割り込む展開となりました。
相場には変動がつきものと、政府は静観を決め込んでいますが、私はその認識には異論があります。昨年後半以降、この長安通信でも数回にわたって書いてきましたが、世界経済の動向は決して楽観できる状態ではありません。世界経済の主役である米国経済の変調、これまで世界経済を牽引してきた新興国経済成長の減速、原油や鉱物、穀物など資源価格の高騰など、日本を取り巻く経済環境のほとんどはマイナスの要素ばかりです。
昨年前半までの議論は、「来年以降は労働者に景気回復の果実を配分する必要がある」という前向きの論調が支配的でしたが、今や来るべき景気後退にいかに備えるかという後ろ向きの議論が勢いを増しつつあります。
わが国は自由主義経済の国であり、国が経済や市場に過度の介入をすべきでないことは言うまでもありません。しかしながら、「市場は時に過度に反応し、混乱を増幅する」という現実は、経済学の理論が示すところであり、また歴史が示すところでもあります。
今ただちに政府が直接市場へ介入するようなことが必要だとは思いませんが、経済政策の大原則を内外に示し、具体的な成長戦略のパッケージを示すことは極めて重要だと思います。先に衆議院通過が強行された平成20年度予算案の中には、そのようなメッセージは全く含まれておらず、日本国民にとっても、また海外の投資家にとっても、日本経済の先行きの不透明さは拭いがたいものとなりつつあります。
経済や市場にまつわる問題は、タイミングが極めて重要であり、機を逃せば取り返しのつかない損失を余儀なくされることがあります。日銀総裁人事も含め、政治が知恵を絞り、責任を負う覚悟が必要です。国会審議は現在円滑に進まない状況にありますが、国家としての意思決定の遅れで国益を損なうことのないよう、私も全力を尽くします。