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中国経済の動向

高成長を続けてきた中国経済が急減速しています。日本も含めた先進国と同様、米国発のサブプライムローン問題を発端とする世界的な金融危機の影響が、中国をはじめとする発展途上の国々の実体経済にも波及してきたと言えそうです。日本でも11月以降一層急激に経済は冷え込んでおり、派遣やパートなど非正規雇用と言われる人たち、また採用内定者といった相対的に立場の弱い人たちに、そのしわ寄せが真っ先に及んでいるところです。

中国においては、沿岸部を中心とする製造拠点や発展する都市に、農村部から大量の出稼ぎ労働者が労働力として移動することによって、急激な経済成長が可能になってきました。しかしながら、景気の急減速によってそれらの人々の雇用が脅かされ、職を失うケースも増えていると聞きます。今後失業者は都市部にとどまることも予想され、社会的に大変不安定な状態に陥ることは想像に難くありません。
日本においてでさえ、民間企業の派遣切りがこれほど大きな問題になり、また資本主義の総本山とも言える米国でも、GMやクライスラーといった大手企業の救済に公的資金を投入するという議論がされているわけです。ましてや共産主義の中国において、国民の中で経済状況の悪化に対する政府への期待と不満が複雑に交錯し、社会・経済・政治が混乱に陥るリスクは決して無視できないと言えるでしょう。

不況期においては、私たちの視点はどうしても内向きになりがちです。隣国のことを心配する前に、自分たちの生活が大変なのだ、という考え方も当然あるでしょう。
しかしながら、アジア地域における中国の政治的安定と持続的な成長は、わが国の国益につながることであり、また彼らが困難な時期に知恵と力を貸すことこそが、相互の信頼関係を強めていくことにつながるのだと思います。
自分自身が苦しいときほど、相手を想う心を大切にしたいものです。