« WBC日本連覇 | メイン | 国の出先機関の庁舎整備 »

投資教育

日経平均株価が、過去一年で35%下落しました。これは、ITバブル崩壊による2000年度以来の大幅下落ということです。金融機関や年金基金をはじめとする機関投資家の中には、株式保有の比率を下げ、より安全志向の運用にシフトするところも少なくないようです。
個人投資家の方々も、この一年を見れば多くの方が評価損を抱えることになっているのではないかと思います。「貯蓄から投資へ」という掛け声のもと、半ば政府が旗を振って株式というリスク資産への投資を個人に勧めた結果、多くの方々が損失を被っている現状は、大変憂慮すべきであると感じています。

私は、平成18年の金融商品取引法の審議において、投資教育の重要性について強く訴えました。「投資は自己責任」というのは、建前論としてはその通りです。しかしながら、政府が「貯蓄から投資へ」という旗を掲げるのであれば、その前提として、個人が自分のリスク選好に見合った合理的な投資の意思決定ができるに相応しい知識を身につける機会を国民に提供することは、当然の義務であると言えます。
例えば株式などは、短期的にはリスクは高い投資対象と言えますが、20年〜30年といった長期で見れば、リスクに対応した高いリターンを得られる可能性が高い金融商品でもあります。一般論としては長期投資に向いており、短期の保有で高い利回りを確保するのは難しい商品と言えるわけです。しかしながら、現実には、かなり高齢の方が今後数年〜十数年の間に現金化しなければならない資産を株式に投資し、元本が目減りしている実態もあるようです。

投資教育は、小中学校期におけるお金に関する基本的な教育から、住宅資金・教育資金・老後資金等の準備の考え方に至るまで、人生のいくつかの局面で必要になるものです。当時の金融商品取引法の審議の中でも、教育を必要とする人に、十分な教育の機会が安価に提供できるよう、重点的な取り組みを政府に要請しましたが、今日のような株式市場の動向を踏まえ、個人投資家が市場や金融商品の特性を理解した上で、安心して投資ができるよう更なる取り組みの充実を求めていきたいと思います。