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米中首脳会談と日中関係

11日、G20が開催されている韓国ソウルで、オバマ米大統領と胡錦濤中国国家主席との会談がありました。
会談内容の詳細は明らかになっていませんが、報道によれば、オバマ大統領は、経済的にも軍事的にも世界有数の大国となった中国に対し、その国際的な責任を果たすよう強く促したようです。

現在、わが国と中国の間では尖閣の問題を中心に緊張が高まっていますが、これを単純に日中の二国間の問題として捉えることは適当でないと思っています。
中国はアジア太平洋地域での存在感を高めることを狙っていることは明らかであり、そのために軍事的には東シナ海を抜けて太平洋に直結するシーレーンを確保することは大変重要な意味を持ちますし、更に東シナ海に眠る海洋資源に関する権益についても有利な地位を得ることを狙っていることは想像に難くありません。

わが国として今重要なことは、中国が尖閣をはじめとするわが国領土の近海で、自由に挑発行動を取ることを如何に封じ込めて行くかということだと思います。
中国と境を接する東シナ海をできるだけ静かな海にすることが両国の国益にかなうということを、中国に理解させなければならないわけです。
もちろん二国間の交渉でそれが実現できればそれに越したことはありませんが、現在の日中関係を鑑みれば、短期的に成果を得ることは難しいと考えざるを得ないでしょう。

現在中国は、尖閣の問題、レアアースの問題、元の為替相場の問題、ノーベル平和賞を受賞した民主活動家劉暁波氏の問題などについて、米欧の先進国はもちろんのこと、近隣の多くの国からも警戒感が高まっています。
各国とも経済成長著しい中国の活力を自国に取り込みたいという思いを持ちつつも、中国が現在のような覇権主義的な振る舞いを国際社会で見せることを快く思っているわけではありません。
しかしながら、わが国が中国の隣人であることは動かしようがないわけで、短期的・感情的に物事を考えても両国国民にとって何も得るものはないと思います。
わが国も第二次大戦の敗戦から復興し、高度経済成長を遂げて国際社会に復帰する際には、米欧の先進諸国から警戒感を持たれ、バッシングを受けたこともありました。
しばらくは冷却期間が必要だと思いますが、わが国は中国の隣人として、先んじて経済大国となった国家として、彼らを責任ある大国として国際社会に導き入れ、教育することも必要だと思います。
外交は一朝一夕に成るものではありません。
現在わが国政府は厳しい状況におかれていますが、長期的な視野に立って戦略的な外交を展開して頂きたいと思うところです。