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子ども手当

4日、子ども手当の見直しに関する与野党合意が成立しました。
民主党が前回総選挙のマニフェストで約束した月額2万6000円の支給が事実上達成できなくなったことは明白であり、この点については率直にお詫び申し上げなければなりません。
当時国の総予算207兆円の組替えで捻出するとしてきた財源創出が未だ不十分であること、加えて東日本大震災からの復旧・復興のために巨額の資金が必要であること、そして衆参ねじれ国会という現実の中で実質的に野党への譲歩なしにはあらゆる予算・法案に目途が立たないことなどを勘案すると、残念ながら、野党の主張に耳を傾けた妥協を受け入れざるを得ません。

一方で、社会全体で子育てをしていく、すべての子どもたちに教育の機会を与えるという、子ども手当や高校実質無償化の理念を放棄することがあってはなりません。
制度設計の詳細についての様々な考え方はあるとしても、将来の日本を支えていく子どもたちを家庭と社会とでしっかりと育んでいくという理念は多くの国民の方に理解されていると感じますし、野党の皆さんとの間でも大きな隔たりはありません。
理念を実現するための方策は子ども手当だけではないわけで、財政事情が厳しい中、この先は与野党で知恵を絞りながら実質的な成果をあげて行かなければならないのだと思います。
子育ては、少なくとも十数年にわたって多くの愛情・労力・経済力などを注いで、一人の人間を育てていく人生の一大事業です。
政党間の考え方が異なるからといって、頻繁に個人に不利益が及ぶような制度変更が生じることがあるのは望ましくありません。
今回の与野党協議を機に、わが国の子育て・教育問題、ひいては人口問題、移民問題といった重要課題について、国民を巻き込んだ議論を続けることが必要だと思います。

二大政党だからといって、あらゆる政策について真っ向から対立し、お互いに罵り合う必要はありません。
国民の政治への信頼を取り戻すためにも、与野党間の節度ある協力関係の構築が求められているのだと思います。
与野党の対立ばかりが報道される毎日ですが、現場では地道に対話を続け、解決を模索している議員がたくさんいることも是非ご理解頂きたいと思います。