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政権交代の意義

政治に携わる者にとって、このところ報道を賑わすのは厳しいニュースばかりではありますが、日々の仕事の中ではいい報告に接することもあります。
最近、日本航空の業績が順調に回復しているという報告を聞き、政権交代当初の日々を思い出しました。

政権交代直後、私は国土交通大臣政務官という役職に就き、前原国土交通大臣のもと、幾つかの大きな改革に取り組んできました。
その一つが航空行政の刷新であり、その象徴が日本航空の経営再建でした。
当時事業存続の危機に瀕していた日本航空をどのように再建するのか(最悪のシナリオも当然考えられたわけですが)については、経済界にもそして利用者の間にも様々な意見があり、複雑な利害関係が存在していました。
公共交通機関としての重要な役割の保護と、民間企業として従うべき市場経済のルールとの狭間で、毎夜激論を交わしながら最終的に会社更生法のもとでの事業再生を了とした時には、その決断が及ぼす影響の大きさが重しとなって自分の両肩にずっしりとかかったような気がしたのを覚えています。

この決定について当時は賛否様々な評価を頂いたところですが、このところの日本航空の業績の急回復、新規路線の就航、そしてサービスにおいても顧客の評価が向上していると言ったお話しを耳にすると、当時の決断は間違っていなかったのだと少し肩の荷が下りた気がします。
この経緯を振り返って重要だと思うのは、特に規制の厳しい業界の会社の経営危機の問題は、個社の救済という観点のみで考えるのではなく、業界を守ってきた旧い規制がかえって市場の新しい動きに対する対応への足かせとなっている場合があると言うことです。
航空行政で言えば、オープンスカイといった空の規制緩和や、関空・伊丹の経営統合という既存インフラの活用策、地方空港も含めた経営改革の始動など、業界を取り巻く政策・規制のパッケージを整合的に変更してきたことが重要だったのだと思います。
これが結果として日本航空の再生や、ピーチなどのLCCの本格的な市場参入へのきっかけとなり、日本の空の市場が活性化したことは大きな成果だと思います。

財源がなければできない政策について、今すぐ100%実行できないことは現実として受け入れざるを得ませんが、規制改革で市場を創造し、経済を活性化することができる分野も数多く残されています。
政権交代の意義をもう一度見つめ直し、できることからどんどんやる政権に立て直さなければなりません。