« 総選挙 | メイン | 三党合意と党内調整 »

JAL再上場へ

本日一部新聞で、経営再建中の日本航空(JAL)が再上場の方針を固めたと報道されました。
振り返ると、2009年秋の政権交代直後、日本航空の再生は国土交通省の政務三役にとって残された時間の少ない喫緊の課題でした。
当時は日本航空の資金繰りにも懸念があり、ANAと並んで日本の二大キャリアであったJALの運航に支障をきたすようなことがあれば、公共交通に大きな混乱が生じ、日本経済全体にも大きな動揺が生じるという危機感がありました。
そういった事態を避けるために、前原大臣を中心にいわゆるタスクフォースが議論を重ね、2010年1月に会社更生法適用を申請するに至ったわけです。

当時、企業再生支援機構を通じた公的支援に対し、国民負担の発生を懸念する声も少なくありませんでしたが、現時点での見通しとして、JAL再上場により出資を大幅に上回る資金回収が見込まれているとのことであり、当時の意思決定に関わった政策担当者として、肩の荷が一つ下りた気がしています。

私自身が当時の政策決定を振り返り教訓としていることは、第一に公的な役割の大きな民間企業の経営再生に際しては、早いタイミングでの公的関与をためらうべきでないが、同時に民間の経営のプロフェッショナルの知見・リーダーシップを大胆に取り入れて経営の効率化を図るべきであるということ。
今回のJAL再生においては、稲盛会長の果たした役割は大変大きなものがあったと思います。
第二に、特に公的な規制の強い業界においては、規制改革を同時に行い、競争環境を整え、業界全体が市場を拡大し、また競争を促進して、消費者の利益に叶うような方向に導くこと。
この点についても、今回は航空自由化の進展や、わが国おけるLCCの展開への支援といった航空政策の刷新によって、消費者の利便性は高まりつつあり、政策的な成果を上げられたと自負しています。
第三点については反省点になるのですが、JALの再生を支援するということは、その方策や支援の度合いによっては、競合他社にとって不公平な競争条件を強いる可能性がありました。
特に日本の航空業界においてはANAとJALが長きにわたりしのぎを削ってきたわけで、これまでANAが独自に経営改善を進め結果としてJALに対する競争優位を確立していた状況が、今回の会社更生法の適用・公的支援・再上場という動きを通じて、競争環境が大きく歪められたのではないかという懸念は否定できません。
こういった点については、公平・公正な競争環境を整えるという観点から、しっかりと検証をし、今後の公的関与が必要とされるような企業の再建における教訓としていかなければならないと考えています。

政権交代後の政策運営に関しては、様々な評価があることは承知しています。
政治的には民主党政権の成果をきちんと説明することは大変重要であると思いますが、政権運営の質を持続的に向上させていくためには、過去の意思決定とその結果についてきちんと検証・反省をして、次の予算・施策に反映していくことが必要です。
様々な政局的な動きも報道されているところですが、しっかりと地に足をつけて今成すべきことをしっかりやり遂げたいと考えています。