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カード

現在TPP交渉が行われています。簡単に言うと、TPPとは環太平洋パートナーシップ協定のことで、環太平洋諸国で貿易を自由化しようというもので、現在12ヶ国が交渉を行っています。

私が国土交通副大臣のころからアメリカと水面下の交渉が行われていました。ただ、政府としてはトップシークレット扱いで、首相官邸と私を含め一部の政府関係者のみにしか情報は知らされていませんでしたから、詳細についてここに書くのは控えなければなりませんが、当初からアメリカは日本に対して自動車分野での多くの要求をしていました。しかしながら、そう簡単に譲歩すべきではないと判断し、私は当時アメリカの要求を頑なに突っぱねていました。

その後安倍政権が誕生し、TPP交渉に参加するためにこのアメリカの要求を丸呑みしてしまいました。昨今報道されている通り、アメリカの自動車分野での要求を受け入れれば、その他の分野で一定程度日本の要求が受け入れられると安倍総理は安易に考えたようです。

当時はあまり大きく報道されておりませんでしたが、私は内心これは大変なことになると危惧していました。案の定、今ではアメリカは日本がそういった譲歩をしたことを忘れ、更なる市場の開放を求めており日本政府も対応に苦慮しているというのが実状です。

そもそも交渉のカードを切るのは一番効果のあるタイミングでなければなりません。トランプでも最初から強いカードを切ってしまっては勝てるものも勝てないのは明らかです。
まさにこのTPP交渉において、交渉のイロハのイが間違っていたと言っても過言ではありません。

英語には「in due course」という表現があります。日本語に訳すと、「追って」あるいは「やがて」となりますが、真の意味は「しかるべき時」あるいは「時節がくれば」ということです。まさに交渉における譲歩こそin due courseでなければなりません。
ビジネスの上では当たり前のこのことを理解している人が日本の政界にはほとんどいないということを露呈した場面であったと思います。