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日本の立ち位置

10月27日、国連において核兵器禁止条約の制定に向けた交渉を2017年から開始するよう求める決議案が123カ国の賛成で可決されたが、日本や核保有国の米露英仏などが反対した。
これは日本の世界における立ち位置を決めてしまう非常に由々しき行動であった。
岸田外務大臣は、反対理由として「核兵器国と非核兵器国の対立をいっそう助長し、亀裂を深めるものだから」と説明しており、日本政府は、保有国と非核保有国が協力して段階的に進めるべきだという考えだ。
しかし実際は、投票前に米国から反対をするよう働きかけがあり安易にそれに従って反対をしたというのが事実である。

日本は、被爆国であると同時に、近隣国の脅威に対し米国の核の傘の下にいる。
そういう中で米国からの要請に難しい判断が迫られたのは理解できる。
しかし日本は唯一の被爆国として、核なき世界に向けて確固たる信念を貫くことが、長い目で世界は日本を評価するのは間違いない。

そもそも、日本政府の言う段階的な核軍縮がこれまでどれだけ成果を上げてきたのかを考えれば、理想と現実の違いは明らかである。
遅々として進まない核軍縮にしびれを切らし、各国が核禁止というゴールを目指そうとするなかで、日本は唯一の被爆国として決議に賛成、最悪でも棄権した上で、核保有国と非核保有国の溝を埋める橋渡し役を果たすべきである。逆に言えば被爆国であるが故にできる役割である。

禁止することで地下にもぐるという意見もあるが、表面上の理想的なことを言うだけでは世界は何一つ変わらない。日本が本気で核なき世界を目指すのであれば、米国を説得する努力をし、賛成票と投ずるべきであった。そうすることが誇りある外交政策となる。ましてや任期切れ間近のオバマ政権のご機嫌をとって、外交上どんなメリットがあるというのか。