2012年05月18日

ギリシャ情勢の憂鬱

ヨーロッパが再び緊迫しています。
ギリシャ総選挙後の連立政権樹立が不調に終わり、再選挙の運びとなったことで、ギリシャの財政再建への歩みに再び暗雲がたれこめているということです。
既に金融機関からの預金流出が始まっているとも言われ、今後資金不足が予想されるギリシャ金融機関の資金繰りがひっ迫するような事態になれば、更に危機的な状況を覚悟しなければなりません。

わが国も財政的には大変深刻な状況にあります。
ギリシャの状況になぞらえて危機感を煽ることは適切ではないと思いますが、国際金融市場はギリシャの次の「標的」を探しているわけで、イタリアやスペインなどの経済規模の比較的大きな南欧諸国の金融指標にも動揺が広がりつつあります。
このところのわが国の金融・為替市場の動きをみると、長期金利の低下、円高傾向の再燃と、市場はまだわが国を経済的には安全な国の一つとして評価していることが伺えますし、直近のGDPの動きも復興需要や個人消費に下支えされ堅調な動きを見せているようです。

しかし、だからこそ今のうちにしっかりと腰を据えて社会保障と税の一体改革について議論し、国民的な合意のもとで、持続可能な日本経済のあり方を構想し、共有すべきだと思います。
ギリシャのように極限まで財政的に追い込まれた状況では、改革の主導権は債権国に握られてしまうのであり、国民経済を第一に考える猶予は与えられないものと覚悟しなければなりません。

消費税率アップのタイミングや逆進性対策など、議員間で賛否が交錯する問題も数多くありますが、もはや議論から逃げて先送りすることは許されません。
ギリシャと異なり、わが国には幸運にもまだ自らの判断で改革を構想し、実行する時間が残されています。
与野党問わず、政治家はこの問題に正面から取り組み、互いに歩み寄って成案を得る努力をし、わが国の未来への責任を共有すべきだと思います。

2012年05月11日

社会保障と税の一体改革

連休明けから「社会保障と税の一体改革」に関連する法案の審議が始まっています。
これまで消費税の引き上げばかりに焦点が当たっていましたが、関連する法案は消費税・年金・子育ての3分野7法案にわたっています。
今後の審議の行方は必ずしも視界良好ではありませんが、特別委員会において連日の審議が予定されています。
十分な審議時間を確保して、与野党膝を突き合わせて議論を尽くさねばならないことは言うまでもありません。

私は従来から、早期の消費税増税よりも成長戦略を重視する方が結果としてわが国の経済・財政に長期的にプラスになるということを主張してきました。
ただ私は、成長重視派だから財政規律無視だとか、増税派だから財務省の手先だといったレッテル貼りの低レベルな議論を国会で展開すべきではないと思います。
経済成長の実現は、わが国が抱える幾つかの問題を解決したり、或いはその痛みを軽減したりはしてくれるでしょうが、それで国民生活の安定が永遠に保証されるわけではありません。
逆に、消費税率を上げても中長期的に見込んでいた増収が得られないことも十分あり得ます。
大切なことは、与野党が叡智を寄せ合って、経済動向やわが国の国民・企業の基礎的な経済体力を見極めながら、成長戦略と税収増を両立する狭く険しい道を見出すということだと思います。
残念ながら、もはや民主党は参議院での多数を持たず、野党の協力を得なければ文字通り何も決められない政治が続くことになります。
敢えて名を捨てても実を取る覚悟が必要だと思っています。

海外に目を転じれば、日本の国会というコップの中での与野党のメンツ争いによって、わが国の国力が削がれていくことで利を得ているのは近隣の競合国に他なりませんし、わが国の財政リスクが国際金融市場の大きな関心になりつつあることも事実です。
社会保障と税の一体改革はわが国の国内問題にとどまらず、世界経済やわが国の国際的地位にも大きく関わる問題なのです。
私も、日本を取り巻く国際的な厳しい政治・経済の現状に対し、重大な危機感を持って国会審議に臨んで参ります。

2012年04月27日

政権交代の意義

政治に携わる者にとって、このところ報道を賑わすのは厳しいニュースばかりではありますが、日々の仕事の中ではいい報告に接することもあります。
最近、日本航空の業績が順調に回復しているという報告を聞き、政権交代当初の日々を思い出しました。

政権交代直後、私は国土交通大臣政務官という役職に就き、前原国土交通大臣のもと、幾つかの大きな改革に取り組んできました。
その一つが航空行政の刷新であり、その象徴が日本航空の経営再建でした。
当時事業存続の危機に瀕していた日本航空をどのように再建するのか(最悪のシナリオも当然考えられたわけですが)については、経済界にもそして利用者の間にも様々な意見があり、複雑な利害関係が存在していました。
公共交通機関としての重要な役割の保護と、民間企業として従うべき市場経済のルールとの狭間で、毎夜激論を交わしながら最終的に会社更生法のもとでの事業再生を了とした時には、その決断が及ぼす影響の大きさが重しとなって自分の両肩にずっしりとかかったような気がしたのを覚えています。

この決定について当時は賛否様々な評価を頂いたところですが、このところの日本航空の業績の急回復、新規路線の就航、そしてサービスにおいても顧客の評価が向上していると言ったお話しを耳にすると、当時の決断は間違っていなかったのだと少し肩の荷が下りた気がします。
この経緯を振り返って重要だと思うのは、特に規制の厳しい業界の会社の経営危機の問題は、個社の救済という観点のみで考えるのではなく、業界を守ってきた旧い規制がかえって市場の新しい動きに対する対応への足かせとなっている場合があると言うことです。
航空行政で言えば、オープンスカイといった空の規制緩和や、関空・伊丹の経営統合という既存インフラの活用策、地方空港も含めた経営改革の始動など、業界を取り巻く政策・規制のパッケージを整合的に変更してきたことが重要だったのだと思います。
これが結果として日本航空の再生や、ピーチなどのLCCの本格的な市場参入へのきっかけとなり、日本の空の市場が活性化したことは大きな成果だと思います。

財源がなければできない政策について、今すぐ100%実行できないことは現実として受け入れざるを得ませんが、規制改革で市場を創造し、経済を活性化することができる分野も数多く残されています。
政権交代の意義をもう一度見つめ直し、できることからどんどんやる政権に立て直さなければなりません。

2012年04月20日

大臣問責と審議拒否

本日、前田国土交通大臣、田中防衛大臣への問責決議案が参議院で可決され、自民党は全面的な国会審議の拒否に入っています。
他党のことをとやかく言うのは好きではありませんが、東日本大震災から一年が過ぎたばかり、復興も道半ばという中で、国会審議を止めるような行動に出られたことは政治家として本当に残念に思います。
与党・野党それぞれ主義主張が異なることは当然ですし、それが健全な民主主義の大前提だと思いますが、主張が異なるからと言って議論のテーブルにもつかないというのは如何なものかと思います。
こういった旧態依然の永田町だけでしか通用しない論理を振りかざしていると、まさにわずかに残っている政治への信頼・期待さえも雲散霧消し、既成政党はその存在意義を失うことになりかねません。

私はかねてから、政党に属する組織人として守るべきルールがあることを肝に銘じ、様々な局面で慎重な言動をしてきたつもりです。
しかしながら、大震災、原発事故、そして危機的な経済・財政問題を抱える中で、既存の政党が機能を果たし得ないとするならば、現状を根本から打破するような行動を取らなければならない時期が早晩来るのではないかと覚悟を決めつつあります。

一部の野党の審議拒否によって国会が動かないからと言って、わが国の政治全体が機能を止めることがあってはなりません。
粛々と議論を進め、会期内に一定の結論を出していくことが、国民が国会に求める最低限の責務だと思います。
党利党略が幅を利かせる旧い永田町を変えるために、与野党問わず心ある政治家と力を合わせて行かねばなりません。

2012年04月13日

泉佐野空港連絡橋利用税

新聞等でも報道されているところですが、泉佐野市が求めてきた関西国際空港連絡橋への利用税新設に総務大臣が同意をしました。
本件は、泉佐野市の財政にとっては望ましい事ではありますが、関西国際空港の利用者や物流関係者等、新たな税負担を迫られる方々にとって歓迎できるものでないことも事実でしょう。

私は関空の発展を願い、国会議員になって以来、連絡橋通行料金の引き下げに力を尽くしてきました。
一時は普通車往復1500円だった通行料金も、昨年8月からは時間帯割引の拡充などの実現により最安時間帯では往復400円で利用できるようになりました。
この間の多くの関係者のご理解・ご努力を考えると、結果として利用者の負担が増えるような施策は本当に残念であるという思いも正直あります。

一方で、政権交代前の2009年、地元へほとんど相談もなく連絡橋が国有化され、突然年間約8億円もの固定資産税を失った泉佐野市が、その補てんを国に求める立場も十分理解できます。
私も政権交代後、国土交通省を中心とした関係者と議論を重ねてきました。
当然のことながら国もまた国民からお預かりした税金を泉佐野市に補てんしていくためには、法律に基づいた何らかの制度・仕組・事業等が必要なわけですが、残念ながらこれまで泉佐野市と国が合意できる妙案を見つけられてこなかったという現実があります。

今後、泉佐野市とNEXCO西日本との間で具体的な税の徴収方法やその費用負担についての調整が始まると思いますが、私も地元議員として、何とか利用者の負担を極力限定する形で泉佐野市の財政健全化の道筋がつくような解を見つけられるよう努力を続けるつもりです。
何より重要なのは、関空を中心に泉佐野市域の経済活動が活性化することであり、それが結果として市の税収増につながっていくことが、多くの関係者にとってwin-winの解になるのだと思います。
7月に控えた関空・伊丹の統合という一大プロジェクトを必ずや成功に導き、その果実を泉州地域が享受できるよう今後も知恵を絞り、汗をかいて参る決意です。